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飲酒されている方はカット施術を行えないという事を“ご留意して頂きたい”

酒気を帯びている状態では髪を切りに行かないのは常識です。

酒気を帯びている状態でのカット施術は『百害あって一利なし』

土日になると、酒気を帯びて来店する方が非常に多くて驚いております。
つまり、知らない方が意外と多いという事です。

では、何故、カット施術に当たって適さないのか。

それは“刃物を使うから”です。

人体に対して鋭利な刃物の使用を一般的に許可されている職業は、医師と我々理美容師だけです。
そもそも、昔の未だ理美容師というものが無かった時代は、髪は医師が切るのが一般的でした。
今でもその名残が理容のクルクル回る赤・青・白のサインポールを見て伺えます。
それぞれの色の由来は、
赤が動脈
青が静脈
白が包帯(白衣ともいわれてます)です。

病院に診察を受けに行く際に、酒気を帯びた状態では行かないでしょう。
根底にある本質は病院を同等なのだという事をご留意頂ければと思います。


また、酒気帯び状態がカット施術に適さない理由が他にもあります。

・平衡感覚が弱まり、頭部を水平に保てなくなり易い。→カット施術に大きな影響を与えます。
・落ち着きが無くなる、また、じっとしていようと思っても身体が微妙に動く。→カット施術の際、耳回り等の繊細な作業を行う場面で支障が出ます。
・カットクロスを首に巻く際に、ある程度きつめに巻くので気持ちが悪くなり易い。
・カット中にトイレに行きたくなる。→作業が中断され、著しく滞ります。
・酒気を帯びた息は、技術者を不快にするだけではなく、最悪、気分が悪くなると共に、集中力を削がれ、カットのクオリティに影響を与えかねません。

と、このように様々な弊害があります。
確かなカット技術を提供する上で、重要な事柄ですので、知らなかった・分からなかったという方も、『カット施術を受ける際の豆知識』として心の片隅に留めて頂けたら幸いです。

幼児の子供を過信してはなりません

幼児のお子様は、時に、大人が予想も付かないような行動を起こします。

“店内でお子さんを自由に歩き回らせる親御さん”や“店内でお子さんを独り残して席を外す親御さん”が信じられません

私は今まで17年程、この職業に従事し、様々な地域で勤めて参りましたが、どの地域でも云える事は、“理美容室の危険性”を知らない方が意外と多いという事実です。

具体的に申しますとまず、私たちは髪を切る職業なので当然、鋏を持っております。
この鋏は、一般の方がお使いになる“図工バサミ”とは異なり、かなり鋭利な“刃”が付いており、それはカミソリに近いほどです。

それを私たちはある意味“振り回して”いるのです。

ですので、容易に作業エリア内に立ち入る事は極めて危険であり、万が一、技術者が作業に集中して小さなお子様の接近に気が付かなかった場合は特に危険なのです。

また、小さなお子様に限らず作業エリア内に立ち入ると、それだけで、技術者は上記の事を警戒しますので、作業に集中出来ず、仕上がりや作業時間にも影響してしまいます。

それだけ、私たちの作業は繊細なものだという事をご理解頂きたいのです。

また、当店の特質上、アンティークのディスプレイや様々な備品が多数展示している関係上、不用意にお手を触れる危険性があり、実際にお手を触れた事によって怪我をされた事故が数件発生しております。そういった理由からも「小学生未満のお子様」のご入店自体をご遠慮させて頂く事になりました。

誠に不本意ではございますが、お子様の安全を第一に考えた上の結論ですので、何卒、ご理解・ご協力頂けますよう、重ねて宜しくお願い申し上げます。

※この文章をお読みになり、「選り好みしてるだけじゃないか」と思われた方は、それでも結構です。店主である私は事故を未然に防ぐ義務があり、それを全うしなければなりません。また、お客様に気に入って頂ける髪型をお創りするのが我々の務めでございます。施術中は“カットの世界”にのめり込み集中し、お客様が満足する“いい頭”さえ創れればそれで満足で、その他にお客様に要求する事は何もありません。
挑戦的に受け取られたらすみません。ですが、良いものを創る事こそ、それが職人たる私共の信念であり存在意義で、それだけはどうしても譲る事が出来ません。本当にすみません。

¥1000カットによくあるバキュームの真実

毛クズ除去のメカニズム

カットが終わると髪の毛と髪の毛の間や頭皮に無数の毛クズが付着しており、それを、\1000カットによく見られるバキュームで吸い取る訳ですが、ここではそのメカニズムをご紹介致しましょう。

まず、髪の毛と髪の毛の間に付着している毛クズはドライヤーで大方吹き飛ばす事ができます。(しかしながら、整髪料が付いておりますと髪の毛と毛クズに“強力な粘着力と摩擦”が生じますので、ドライヤーで吹き飛ばすのが困難になります。また、バキュームを用いても同様です。)

すると、残るは頭皮に付着している毛クズ。ここでバキュームの登場です。
一見、バキュームの“吸引力”が残った毛クズを吸い取ってくれると思いがちですが、
実は違います。

頭皮に付着した毛クズは頭皮から分泌された“皮脂”により粘着力が増した状態で付着しております。それは想像以上に癒着力が強い為、バキュームの吸引力だけでは吸い取る事が出来ません。
そこでバキュームの先端に取り付けられた“毛足の短いブラシノズル”(以下ブラシノズル)に注目です。

頭皮に付着した毛クズをブラシノズルで物理的に掻き出し、頭皮から剥離したところを“バキュームの吸引力”が吸い込む。といった一連の流れがあって初めて細かい毛クズを取り除く事が出来るのです。

しかし、上記の「ブラシノズルで物理的に掻き出す」動作にも注目すべき点があります。
この動作の際に、ブラシノズルを髪の毛の流れている方向と“同じ方向へ運行する”必要があるのです。

理由は、髪の毛の流れと逆方向へ運行するとブラシノズルが髪の毛を“逆撫で”した状態、つまり、負荷が掛かる状態になっているのです。
この負荷は想像以上の妨げで、これにより、ブラシの毛先が毛クズまで到達しません。

また、逆さに持って行かれた髪の毛。その根元は元々の流れに準拠していますので、右上の図のような“受け皿”を形成します。この受け皿状になった毛の根元に付着している毛クズは、より取り除くのが困難です。

髪の毛の生えている方向にブラシノズルを運行すると、負荷が掛からず、毛と毛の間にきちんとブラシノズルの毛先が入り込んで毛クズを掻き取る事が出来るのです。

(注:毛流の逆方向にブラシノズルを運行していても毛クズが全く取り除けないという訳ではありません。運行回数を重ねれば、いずれは除去出来ます。)

毛流解説図毛くず除去解説図

大規模展開と小規模展開の違い

技術の“巧い人”と“下手な人”の人口割合は、
下手な人>巧い人
でしょう。それは他の業種でも当てはまると思います。
都内で“カット専門店”をよく見かけるようになりましたが、“急速且つ大規模な店舗展開”をしている所では必然的に従業員不足を招きます。ですので、“下手な人”も雇わないと店自体が回らなくなってしまいます。
故に、店舗拡大するほど上記の巧い下手の人口割合がそのまま反映されてしまう訳です。
また、店舗数が増えると統括するのが困難になり、働いている技術者の意識の低下、“サービス業本来の意義”が守られていない傾向がよく見受けられます。

一方、“小規模展開の個人経営店”では、経営者と働いている技術者との距離も近く、経営理念の伝達・指導もしやすい特徴があります。
また、求人募集した人材を十分吟味して、従業員を“巧い人”だけで揃える事も物理的には可能です。
まさに“少数精鋭”の言葉通りなのです。

ですが結局のところ、求人募集した時に良い人材が集まるかどうかという“運の良さ”と、良い人材かどうかを“見抜く眼力”が必要なのですが、そこが一番難しいところではあります。


「電車男」のドラマの1シーンで、こういうのがありました。

主人公が意中の女性との初デートを控え、髪型をどうするか悩んでいる時にネットの掲示板にどこで髪を切ったらいいか聞いたところ、

「低料金の所はやめろ!」
との書き込み。

「¥1000カットのような低料金の所はダサい髪型しかしてくれないからやめろ」的なニュアンスです。
言いたい事は分かります。
私も世間一般の¥1000カットのそういったイメージは認識はしておりました。
ただ、映像として、言葉に出して聞いたのは初めてでした。
この時は私は既に¥1000カット専門店に身を置いておりましたので何とも複雑な感情に襲われました。

でも、一つ思った事があります。
極端な話、もし、“カリスマ美容師”と呼ばれた技術者が何かの間違いで“¥1000カット専門店”に勤めたらどうなんでしょう?

やはり、“¥1000カット”は止めた方がいいのでしょうか?

私自身“カリスマ”でも何でもありません。ただの普通の“理容師”です。
ただ、髪を切るのは“店”ではなく“人”なのだという事をご理解頂きたいのです。

ですが、その“カリスマ美容師”も「¥1000程度の仕事」と割り切る性格でしたら話は別ですが…。

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